本で見たお花畑の隣のページに、花かんむりの作り方が書いてあった。
私はいつかその花かんむりを、大切な人にあげたいって思ったんです。
…私は、二人にあげたい
離れると心配するだろうから、すぐ近くでやろう…
名前を呼ばれたらすぐ、はいって返事できるように。
私はそんな単純な考えで、すぐ近くで、花かんむりを作ることにした。
花かんむりを作るためには、お花をちぎらないといけない。
どのお花がいいのかな…?
キョロキョロと辺りを見渡すと、少し先に本で見たのと同じ形をしたお花を見つけた。
確かシロツメクサ…だったけ?
…これってお花なのかな?
私はシロツメクサを掴むと、「ごめんなさい」と小さな声で呟きながら、茎からちぎった。
私は、うっすらとした記憶の中で、花かんむりを作っていく。
「…あれ、…これであってるのかな…?」
「…こうかな」
なんてひとり言を呟きながら。
そして私は気づいていなかった。
「あ、あそこに丈夫そうなのある…」
だんだんと、蛍くんたちから遠ざかっていることに。



