視線があった…というよりは、蛍くんによって、あわされた。


もうこうなったら…言うしかないですよね…



私は覚悟を決めて、蛍くんの瞳を真っ直ぐに見つめた。



「…蛍くんの瞳が綺麗で…見とれてました…」



素直に言ったのに、蛍くんは何も言わずに頬から手を離した。



そしてそっぽを向いてしまった。



…気持ち悪いって思われた…



「…そういうこと…普通に言うなっ…照れるから…」


…へ…


…だって…


「蛍くんが言えって…」



「そうだけど…あ~、わるぃ、飲み物買ってくる」



蛍くんはそう言うと、立ち上がって自販機の方へと歩いて行ってしまった。


「……」


…どうして蛍くんの耳…赤いんでしょうか…



真ん中に座っていた蛍くんがいなくなって、可愛らしいベンチに私と涼太くんだけになった。



涼太くんは空を見ているのか、お花を見ているのか分からないけど、珍しく静かだった。



「…けーちゃんあれ、怒ってるんじゃなくて、ほんとに照れてるだけだから大丈夫だよ」