「涼太くんは俺をバカにしてるのかな?」
「こわっ」
ららのお母さんは安心したように肩をおろした後、ふっと吹き出した。
「っ…早く出てきてっ…男子高校生が二人一緒にっ…ちょ、ちょっと待って笑っちゃっ…」
ららのお母さんは、必死に笑いを堪えながらそう言った。
「あはははっ」
涼太の大きな笑い声が聞こえて、俺は涼太の口に手をむぐっとあてた。
「ん~っ」
「バカ…ららに気づかれんだろ…」
声に出さないように笑いを堪えながら、俺達はトイレからやっと脱出した。
「それで作戦はどーなったの?」
俺達がトイレから出ると、ららのお母さんは小さな声でそう言った。
「ららの行きたいところ行ってやりたいって思ってるんで、」
「さっきは答えてくれなかったんすけど、もう少し聞いてみたいなって」
俺がそう説明すると、ららのお母さんはふっと笑った。
「多分ららは、みんなが行きたいところに行きたいのね」
「二人が楽しんでるところを、見たいんだと思うよ」
優しい顔をして、ららのことを話しているところを見ると、
やっぱりお母さんだなぁと、改めて思う。
「そう…ですか」
…まぁ、そうだよな…
俺はどこでも楽しいけどな…
「…涼太、お前どっかいいとこ知らね?」
俺は涼太の方を向くと、小さな声で言った。
涼太は行きたいところいっぱいあるって言ってたよな。
「動物園とか!あ、カラオケとか!!ん~、女の子だし服屋さんとか好きかな?!でも、ららちゃんらしいのはキーホルダー作りとかかな?!予約する?!」
「お、おちつけ…深呼吸、深呼吸」



