…いいこと思いついた。
しばらくして職員室から帰ってきた眠ちゃんは、俺達を見て呆然としていた。
「…なにしてんの?」
「お医者さんごっこ?」
眠ちゃんは、うちのクラスの生徒が変なのは多分俺のせいだよな…とかなんだとか言ってるけど、俺ははっきりと言った。
「ちげーよ」
「こいつが急に寝たから、ベット作ってやったんだよ」
俺、けっこー頭いい
机を並べて、ベット作ってやるとか優しいなーおれ
眠ちゃんはもう一度、涼太の方へと視線を向ける。
「…カッチカチのベットだな」
そして、ポケットからケータイを取り出すと、カシャッと音をたてて写真を撮り始めた。
「…待ち受けにします」
そう言って、肩を震わせて笑いながら。
満足するまで写真を撮った眠ちゃんは、やっと丸付けを始めた。
俺はというと…
眠ちゃんが丸付けしているところを、ただ見てるだけ。
ここにいたいって言った本人は寝てるしな。
俺は暇になって、なんとなく景色が見える窓の方へと歩いて行った。
景色を眺めていると、
眠ちゃんの低くて落ち着いた声が聞こえてきた。
「……岸は知ってんのか、桜田のこと」



