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「けーちゃんさっきから、すごいぼーっとしてるね」



「……え…?」


コンビニから出て、学校に向かってる途中、涼太にそんなことを言われた。


…俺、そんなぼーっとしてるかな…



涼太を心配させないように、俺はいつもの調子で言った。



「珈琲と友達になる妄想、してたかもな」



俺がふざけた様子でそう言うと、涼太は面白そうにゲラゲラと笑い始めた。


「苦くてまずいって言ってたじゃん、どうやって友達になったの?」


…どうやって…



「…どうやったんだろ」


「あははっ」


そこまで考えていなかった俺は、適当にそう呟いた。


…でもあいつ…まじで苦いし、まずいからな…


…なんで大人はこんなにげぇの普通に美味そうに飲んでんのかな…


…大人でも飲めねぇ人とかいるんかな…


「…眠ちゃんブラックとか飲めんの?」


俺は不安になって、涼太にそう聞くと、涼太はすぐに答えた。



「眠ちゃんは、ブラックが好きだよ」


「だからけーちゃん当てたのすごい」


涼太はそう言うと、ニッと笑う。


「よっしゃ、俺天才~」


「はいはい…あ、」



涼太は呆れたように返事をした後、何かを思い出した様子で、コンビニの袋の中を探り始めた。


…なにしてんだ



不思議に思いながらも待っていると、なにやら嬉しそうな顔で、涼太が袋の中から何かを取り出した。



「じゃーんっ」


「メロンソーダふたつ!」



俺の目の前に、可愛らしいメロンの絵が2つ並んでいる。


「………」


「2つになってんじゃねーか」


「じゃーんっ」


俺が少し呆れながらそう言うと、涼太は嬉しそうに、もう片方の手で俺の前に何かを出した。


……いちごみるく味…



よく見てみると、可愛いピンクの包装に、可愛い文字で「いちごみるく味」と書かれている。



「メロンソーダが俺ので、いちごみるく味が灯りちゃん!」


「…眠ちゃんその味好きなのかよ?」



…また自分が食べたいやつ選んでたりしないよな?



俺が疑った顔でそう聞いても、涼太は自慢気に言った。



「眠ちゃんは、アメは甘いのが好きなんだよ、一番好きなのがいちごみるく味!」



…好きなアメの味まで可愛いな



「…ふーん」



…それにしても、なんでこいつはこんなに眠ちゃんのことに詳しいんだよ