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涼太と出会った場所で、久しぶりに二人で他愛もない話をした。
ららと出会ってからずっと、ららのことで頭がいっぱいだった俺にとって、
_なんだか…懐かしい時間だった。
……そろそろ行くか…
「それでね、先生がアイラブ永瀬って_」
俺はスッと立ち上がって、ベンチに座っている涼太の前に立った。
楽しそうに話をしていた涼太は、話を止め、不思議そうに俺を見上げる。
俺は涼太に向けてバッと両手を広げると、
たぶんすごく自慢気に言ったと思う。
「…学校、行こう」
涼太はその言葉を聞いて、もっと目を丸くした。
そして瞳を揺らして、唇をグッと噛みしめた。
「……涼太…?」
俺は広げていた手をゆっくりと降ろす。
_涼太は、空を見上げた
そして見上げた後、すぐに涼太はまたこっちを向いて、
_いつものように、無邪気にニッと笑ってくれた。
太陽の光に照らされて、その時ほんの一瞬だけ、涼太の頬がキラリと光った気がした。
「…いこっかっ」
涼太が笑うといつも、気づけば俺まで笑顔になっている。
涼太はスッと立ち上がると、少しいじわるな顔をした後、
勢いよく俺に抱きついてきた。
!?
「はっ…ちょっ…」
後ろに転びそうになり、咄嗟に涼太をグッと抱きしめる。
…なんだこれ
俺はなんだか恥ずかしくなり、顔が熱くなる。
涼太は俺を抱きしめた後、
俺の髪をくしゃっと撫でた…というか…ボサボサにした……
「……お前、それ好きだよな」
俺が呆れたようにそう言うと、涼太は嬉しそうに言った。
「だって、ぬいぐるみみたいで可愛いんだもん」
…ぬいぐるみ……
「……は?」
どこがだよっ…
涼太はそれだけ言うと、ゆっくりと歩き始める。
「……なんだよ…それ…」
俺は涼太の背中を追いかける。
そして、隣に並んだ時、言ってやった。
「……オカン」