…ジュース?


「………ん?」


突然の言葉に戸惑いながらも、俺はけーちゃんの返事を待つ。



「……この前ジュース噴射したの…まじ最高に面白かった…」



……けーちゃん…



「……今それ言う?」



…このタイミングで…?


ある場所に到着して、俺はゆっくりと足を止めた。



「……今言っちゃった」


足を止めて、見上げた目線の先には、


あの時より大分と大人になったけーちゃんが、ベンチに座っていた。



けーちゃんのサラサラな髪が風にふわっと揺らされて、綺麗な瞳が丸くなって俺を見つめている。



あどけなさが残っているように見えるのは、俺が過保護だからなのかな。



_俺たちが出会った場所



この小さな公園で、傷だらけの小さい子が、俯いてベンチに座っていた。



俺は耳に当てていたケータイを、スッと下に下ろした。



今はもう、


__『……バカみてぇに楽しい』



しばらくの沈黙の後、二人はほぼ同時にぶっと吹き出して、笑った。


そして笑いを堪えながら、けーちゃんは言った。


「…っ…あとさ…俺ら…最近走りすぎじゃねっ…?」


そう言うけーちゃんの表情は、やっぱりあどけなさが残って、無邪気で可愛い。


…やっぱり可愛く見えちゃうんだよなぁ…


…なんでだろう?


…まぁ……いっか…


「…あははっ…ほんとだよっ」


…けーちゃんが楽しそうならそれでいっか


だって今…



…バカみたいに楽しいもんね