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しばらく勢いで来たけれど、けーちゃんがどこにいるのかは、分からない。



ただ…思い当たる場所は…



__ピロロロ、ピロロ



…けーちゃんかな?



ポケットからケータイを取り出し確認すると、そこには見慣れた名前が表示されていた。



……気持ちを…伝える…



俺は先生を頭に浮かべてから、深呼吸をすると、電話に出た。



「…もしもし」


…あんま喧嘩しないから…なんか変な感じ…



いつもは何も考えずに電話とかしてたけど、今は心臓が、ドクドクと速い気がする。



俺が電話に出ると、けーちゃんの低くて不安そうな声が電話越しに聞こえてきた。



「……涼太…に…言いたかったこと実はいっぱいある…」



…不器用で、口下手なけーちゃん


……そんなこと、俺がよく知ってる



「……うん…俺も…」


気がつけば、そう返事をしていた。



…そんなけーちゃんが今、必死に何か伝えようとしてくれているのも



……本当はちゃんと分かってる



「……朝、ずっと一緒に登校してたのに…
急に一人にしてごめん…」


……そんなことで不満に思ってたわけじゃない



…違うけど…



「…一人で行くって嘘ついてごめん」



「………」



…そっか俺…


……嘘つかれてたことに…苛々してた…



…けーちゃんの素直な気持ち…



「…俺…は…普通に…」


…あれ……


…素直な気持ち言うのって…



…こんなに緊張するんだっけ…



「…俺は…」