俺がそう言うと、先生はチョークを持って、黒板に勢いよく何かを書いていく。



書き終わると、先生はチョークをコトンと置いて、またこちらを向いた。



そして黒板をドンッと拳で叩くと、


いつもの眠そうな先生とは別人のように、キリッとした表情で言った。



先生の瞳は、やっぱり何かを確信したように真剣な眼差しをしている。



「……行ってこい…お前の気持ち…ちゃんと伝えろ…」



…………先生……




黒板には、“アイラブ永瀬”と書かれていた。



……先生かっこいいよ……


真剣な先生を見て、俺は勢いよく立ち上がった。



「…先生っ………早退しますっ…」



……俺もアイラブ永瀬ですっ



「岸っっ…」


先生の俺を呼ぶ声が聞こえて、俺は振り返る。



「絶対事故んなよっ…」



……先生…俺のこと心配して……



「はいっ…」



俺は精一杯の返事をすると、また前を向いて、速歩きで教室を出た。



その後、俺のクラスでこんな話がされていたことも知らずに_。




「はい、じゃ、授業始めんぞ~」



__ズッテーーンッッ



「ありゃ、皆こけちゃってどしたの?」



先生が何事もなかったかのように、授業を始めようとするので、


クラスの皆はお腹を抱えて笑いながら、言った。