ボロボロになって、壊れかけた心が、だんだんと優しくなっていくように。



「ひゅー、けーちゃんイケメン!」


涼太くんが、蛍くんに拳をグッと出しながらそう言った。


すると、蛍くんは頬を赤くして目を丸くした。


「おまっ……」


蛍くんは何かを言いかけて、涼太くんからぷいっと目を逸らした。



「………恥ずいだろ……」


そして目を逸らしたまま、少し小さな声でそう言った。



……蛍くんが照れた…



「けーちゃん」



涼太くんは、ニッと笑いながらまだ手をグーにして、何かを待っているようだった。



「……」


蛍くんは、ゆっくりと涼太くんの方を見る。



そして、蛍くんはずっと待っていた涼太くんの拳に、自分の拳をコツンとぶつけた。



そして二人はニッと無邪気な表情で笑いあった。



「ふっ…けーちゃん顔あかい~っ照れてる~っ…あははっ」



我慢できないとでも言うように、涼太くんは吹き出すと、ゲラゲラと笑い始める。



そしてそれを見た蛍くんは、余計に頬が赤くなって、


涼太くんのほっぺをグイーッとつまんで言った。



「…うっ、うっせ~っ…お前はからかいたかっただけかっ」