「でもちょっと過呼吸…かな?」
涼太は、少し戸惑った様子でそう言った。
…いつものかな…
「涼太、今どの辺いる?」
俺はスッと立ち上がる。
ららは学校に行こうとすると、体調不良になったりするから…
「…んーと…学校から少し離れた……」
…でもなんで…
…自分から学校に行ったことなんてなかったのに…
「……なんて説明すればいいか分かんないな…」
涼太は場所を説明するのに、言葉を選んでいるようだった。
確かに学校の周辺…これといって目印になるものないもんな…
「涼太」
…とりあえず、学校から離れた方がいいか…
「…ららちゃんゆっくり呼吸して…ん?けーちゃんなんか言った?」
涼太は、ららを落ち着かせようとしてくれてるみたいだ。
「学校から離れると落ち着くと思うから、連れてってやってほしい」
俺がそう言うと、涼太は「わかった」と返事をした。
「…ちょっと待っててくれ…」
「今から迎えに行くから」
俺が…ららを守るから…



