初恋〜ずっと、キミだけを〜

男の子に付いて来ると、空き教室だった。

「入って」

「う、うん」

教室に入ったその時ー。

ガチャッ

…え!?鍵、閉めたの?

「えっ…?あの、なんで鍵閉めるの?どうせ誰も来ないよ〜」

少し不安になったので、冗談っぽくそう言った。

「邪魔が入らないようにするためだよ。今からイイこと…しない?」

「な、なに…それ…やだっ」

男の子に詰め寄られ、あたしは後ずさる。

それを繰り返しているうちに、あたしの背中が壁に着いた。

「俺さ、ずっと前から瀬尾さんのこと可愛いなって思ってたんだよ。俺と付き合わない?」

「ご、ごめんなさい…。あたし、好きな人がいるの…。だから…」

「ふーん?ま、別にいいけど。今ここには俺と瀬尾さんの二人しかいないからね」

ゾクッ

こ、これは…確実にヤバいやつ!

逃げないと…!

でも、怖くて足が震えて動けないっ…

ギュッと目を閉じると、

「僕の彼女に、手ぇ出さないでくれる?」

あたしの大好きな優しい声が聞こえてきた。