私はネオンが光輝く繁華街を歩いている。


一本路地裏に入れば、闇社会への入り口。


未成年者が酒をのみ、煙草を吸い、騒いでいる。お父さんに頼まれ見に来た私は、今にも爆発寸前…


ここは私たちが管理してる土地なのに、勝手に騒いでんじゃねぇよ。



「お前ら!いい加減にしろ!」



いつもより、一段も、二段も、低い声の私が叫ぶと、ピタリと静まり返った。



そんなのも一瞬。



族の下っ端らしい男たちが、ニヤニヤしながら、こちらに向かってくる。



パーカーのフードを深く被ってるから私だと気づいてないらしい。




「おねえちゃんかわいいね?俺たちと一緒に遊ばない?」



気色の悪い奴らが近づいてくる。


「お前らとなんか遊んでやんねぇよ」


そう私がいい放ったとたん、拳が飛んでくる。

……遅っ

飛んできた拳をひらりとかわし、鳩尾に一発喰らわせる。

すぐ倒れちゃった…弱すぎやしないかい?



周りの男たちはまだ余裕そうだ。
だって私1人対50人だもん。
私の正体をまだ知らない馬鹿どもが一斉に襲いかかってくる。

……遅い。

私は、近いヤツから一人一人、ジリジリと倒していった。
そうして総長らしき男1人になるまでたった5分。
楽しくないなぁ。
そう思いながら、回し蹴りを浴びせてやった。

咳き込みながら倒れこんだ男が私を見上げながら聞いた。



「お…おまえはっ…何者だっ」

しょうがない。馬鹿のために教えてやるか…


「『帝羅』の『鬼姫』でわかるかしら?」 笑顔で囁きながらフードをとり、私自慢の長い黒髪と、整った顔を露にすると、相手の男のかおが、私に蹴られ、ただでさえ、白いかおが、青白く変わっていく。



「『帝羅』の『鬼姫』…だと…?」
かすれた声で囁いたので、「えぇ」と笑顔を向けてやった。……心底軽蔑した目で…


「じゃあ、今日お前らの組は解散だ。」


「そ、そんな」


「は?あたりめぇだろ」


「わ、わかりました。」


あぁ、疲れた~家帰ろ。