「あの、零。あのね…」

「もしかして、彼氏いるの?ま、いてもすぐ別れてもらうけど」

「いやいませんけど…いやそういう問題じゃなくて、」

「よかった。あのさ。俺、小さいころからずっと縁ちゃんのこと好きだったんだ。だから付き合って、俺と」

「はあ…?何を言ってんの?」


突然幼なじみに再会したと思ったら、零がわたしをずっと好きだったって。なんだそれ、展開が急で頭が追い付かない。頭が痛くなってきた。



「いきなり好きだとか言われても、納得できないよ!」

「縁ちゃん?」

「それに!わたしはもう、あの頃みたいなわたしじゃないんだよ。大学受験に失敗して、今は冴えないOLなんだよ。零が好きなのは、あの頃のキラキラ輝くわたしでしょ?」


わたしは声を荒げてそう言った。今日は色々あったとはいえ、久しぶりに会った年下の幼なじみに、感情を爆発させて、八つ当たりして、本当にかっこわるい。自分が嫌すぎて涙が出そうだ。


優等生だったおかげで、昔はこんな風に人からたくさん評価してもらえた。

けれど大人になって、学歴もキャリアもなくない、ただのOLになってしまってからは、評価されることはなくなった。

人の好意すら素直に受け止められないほど、自分に自信がなくなってしまったんだ。そんな自分に絶望する。