「…………」
「相澤くん、遅かったね!おつかれ!」
「……………おつかれさま、相澤」
「………おれ、先輩に誘われてここ来たはずなんだけど」
「まあ細かいことはいいじゃん!座って!」


仕事が終わり、一足先に居酒屋に来ていたわたしたちを、あとに来た相澤は冷たい目で見て「騙された…」とひとりごちた。

カウンター席で、右隣に座る丸井ちゃんが手招きすると、相澤はしぶしぶわたしの左隣に座った。


「じゃ、わたしは帰るから。2人ともさっさと仲直りしてよね」と、丸井ちゃんはあっという間に帰ってしまった。

取り残されたわたしと相澤のあいだには重い沈黙が流れる。


「ひ、ひさしぶり…」
「おう」
「………」
「………」


話も続かず、気まずい雰囲気に耐えきれなくて、ビールを飲む手ばかりが進む。