「あ〜もう、どうしたらいいか分かんない…」

と、心の声が漏れる。今日一日、相澤と話していないせいだろうか、とても心細い気持ちになった。


そういえば、前にもこんなことがあったような気がする。相澤を怒らせて、相澤が口を利いてくれなくて困り果てたことが、一度だけ。


「そうだ、女の子を無断で紹介したときだ…」


ちょうど一年前の今くらいの時期だった。梅雨の季節で、湿度が高く、どんよりとした曇り空で雨がしとしとと降っていた。

どうしても紹介して欲しいと、頭を下げられたのが断れなくて、わたしは相澤に〝3人で飲みに行こう〟と嘘をついて、同期と相澤の2人で飲みに行かせた。

優しい相澤のことだからきっと許してくれると、侮っていたんだ。

その次の日、勝手なことをするなと、声を荒げて怒られ、しばらく口を利いてくれなかった。

今でこそ丸井ちゃんをはじめとした同期と仲良くやっているけれど、当時は入社してばかりで、仲のいい人は相澤しかおらず、ひどく心細い思いをしたものだ。

結局、わたしが半泣きで相澤に謝って、相澤が折れてくれたんだっけ。