医者を目指したのはなんとなくだった。
お袋に褒められたかったからか。
大嫌いな親父とは違う医者になりたかったからか。
今となっては思い出せない。
だけど、当たり前にあるものもいつか当たり前じゃなくなって、こんな風に振り返ることしか出来なくなる。
高い高い壮大な空を見上げる度に自分の小ささを思い知らされ、そのうち見上げることさえ忘れてしまうのだろうか。
見上げた空も海も穏やかなのに、俺の心の内は荒れている。
「(分かっている、分かっているんだ・・・!!)」
簡単な事なのに、どうして生きろと言えない?
言わない事なのに、どうして死ぬなと伝わる?
一緒に食卓を囲んだことを忘れても、患者の為に出ていくあの背中だけは忘れられない。
勝手にしろ、と言ったのに。
「(僅かな希望であっても俺は・・・・・!!)」
【巧side end】
お袋に褒められたかったからか。
大嫌いな親父とは違う医者になりたかったからか。
今となっては思い出せない。
だけど、当たり前にあるものもいつか当たり前じゃなくなって、こんな風に振り返ることしか出来なくなる。
高い高い壮大な空を見上げる度に自分の小ささを思い知らされ、そのうち見上げることさえ忘れてしまうのだろうか。
見上げた空も海も穏やかなのに、俺の心の内は荒れている。
「(分かっている、分かっているんだ・・・!!)」
簡単な事なのに、どうして生きろと言えない?
言わない事なのに、どうして死ぬなと伝わる?
一緒に食卓を囲んだことを忘れても、患者の為に出ていくあの背中だけは忘れられない。
勝手にしろ、と言ったのに。
「(僅かな希望であっても俺は・・・・・!!)」
【巧side end】



