美容整形内科 林田

そんなある日、私は会社から自宅への道を歩いていた。

自分のデスクを片付けるように、上司からのメールが入ったのだ。

私物を整理している間、突っかかってくる人でもいるのではと思いきや、そうでもなかった。

寧ろ反応が無さすぎて、私は初めから存在しない人間であったような、そんな孤独感に包まれた。

こんな事なら、文句でも言われた方がマシだとさえ思った。



そうしてとぼとぼと歩く、帰り道。

そもそも、私があの会社に就職した理由は、こうして徒歩で通えるほど近いからだ。

わざわざ一人暮らしの準備をするのも億劫だし、交通費を要さないのは私にとって好条件だったから。


ただ、それだけのこと。
特別したい仕事でもなかった。


自分に言い聞かせることに必死で、気付けば下ばかり向いて歩いていたようだ。


でもそのおかげで、見つけた。



運命の、チラシを。

水溜まりに浸かった孤独な1枚は、まるで私のようだった。