「古溝さん……休憩中にわざわざ呼び出してしまって申し訳ありません!
私、古溝さんのことが好きなんです。
付き合って貰えませんか……?」
今はお昼休み。
私は、この言葉に緊張もしなかった。
圧倒的な自信があったからだ。
だが、返ってきた答えは想像と違っていた。
「ごめんなさい。
付き合えない理由……この際だから言わせてもらうけど、
仕事はろくしにないくせに、ネイルはウザイほど光らせてるところとか、新入社員をいじめたりとか。
気も使えないだけじゃなくて上司に対しての態度もデカすぎる。
今まで甘やかされながら生きてきたんだなってわかる。
君からひどい仕打ちを受けたと相談を受けてる女の子。
……わざわざ名前言わなくてもわかってるよね?
俺、その子と付き合ってるから。
もう、仕事中に視線送ったりしてくるのも辞めてくれないかな」
私の心は、ガラスでできていたみたいで。
今までチヤホヤされて散々温められてきた分、壊れる時のスピードが半端なく早い。
悲しさと言うより、悔しさしかない。
いや、そもそもそれを程好きだった訳でもないから当たり前かもしれない。
ただただ屈辱的で、その日は早退した。