次の日、私は久しぶりにサッコと遊んでいた。

あの合コン以来、なかなか時間を作れず会えていなかったのだ。

会うなり第一声は。

「大丈夫だったー?」

なんとも気楽なやつだ。

友達が事件に巻き込まれたというのに。
だいたい、どうやったらあんな男をセッティング出来るんだよ。

「大丈夫っていうか、本当に怖かったんだよ!?」

「警察が事情聴取しに来た時はさすがにびびったよ」

暗い話題も、サッコのトークにかかれば笑い話。

それは有難いことでもあるなと思った。


「それより、聞いてよ千愛。
私、あともう一押しで男落とせそうなんだよね」

まーた、男の話か。

「また数年後に捨てられてないことを願うよ」

「ちょっと酷い~~」

そうは言っても、もう前の男の傷は治ったみたいで、少し安心した。


ランチを食べて、ショッピングを楽しんで。

「あー今年もやるんだね、イルミネーション」

貼り紙を見ながら呟いたサッコ言葉には、何も返事をしなかった。


「千愛はどうせまだ男見つかってないんでしょ?
夜暇だろうからひさびさに飲む?」

余計なお世話だ。
それに、夜は相田刑事の捜査の協力をしなければならない。

「舐めてもらっちゃ、困るね」

相田刑事を狙っているわけでは全く、絶対、確実にないのだけれど。
もう一押しでリア充だというサッコにちょっと対抗したくて、軽く匂わせてから、夕方に家へ帰ってきた。