ライトを見ると、私の心のザワザワは五月蝿さを増した。

これは光にときめいているからだと、勘違いして納得した。


「綺麗だね」

そう呟くお父さんの目には涙が溜まっていた。

お父さんも、この光にときめいているの?

私と、一緒なんだね?


そう、お父さんの感じる不安感が、私伝わっていたのだ。

その不安感はもちろん、イルミネーションに影響されてのものじゃなくて。



「ガチャ。
5時38分11秒。被疑者逮捕」



あのおじさんだ。
お父さんに、手錠をはめてるのはなんで?
大人も警察ごっこをするの?

今どき、小学生でもやらないよ?

背の高い周りの人達が、ぎょっとこちらを見ている。


「警察?」
「えっ、逮捕されたの?」
「マジかよやば」
「殺人犯とかだったらどうする??」
「もしかしてあの女の子、犯人の子?」


あぁ、どういうことなの。


「すみません、道を開けてください!!!」


お巡りさんがそう叫ぶと、綺麗にパトカーまでの道が開いた。



私は叫んだ。

雪が、降っていた。