〜千愛 小学校4年生 冬〜

私は朝早くに目覚めるなり、クリスマスツリーへ駆け寄った。

「やったぁぁ!」

今年のプレゼントは、リボンの着いた大人っぽいブーツ。

丁寧な字でサンタさんにお願いした甲斐があった。

サンタさんは、なんでこうも、私の趣味が分かるのかなぁ?
雑誌で眺めていたブラウンと同じ色だ。

1センチくらいのヒールに、主張し過ぎないリボン。
大人っぽいカラーで私の憧れど真ん中なブーツ。

1人でご機嫌になって歌まで歌っていたら、お父さんが起きてきた。


「おー、無事届いたのか。
可愛いじゃん」

お父さんはなんとも髭がみっともなく、そして寝癖が逆に美しいほどに跳ねていた。

「へへっ。早く、履いてお出かけしたいなぁ」

「じゃ、来週の日曜日なんてどうだ。
イルミネーションでも、見に行くか?」


私は、赤ちゃんの頃からキラキラと光るものが好きだったと聞いた。
それは今でも変わらない。
暗闇に光ることで主張するそれに、子供ながらに感動するんだ。

だからイルミネーションも例外でなく、私の冬のお楽しみの1つ。


「もちろん行きたい!」



ワクワクが止まらず、ブーツをこれでもかと言うほど抱きしめた。