そして、運命の変装なしでの初登校



車は変装なしだからみんなと同じ
ようにロータリーで降ろしてもらった
のはいいけど…

…。

みんなの視線がとても怖いのです!!


あまりの怖さにりおちゃんを見つけて

優「りおぢゃああああん泣」

と抱きつくと

里「ゆめーーーーっ泣」

ん?りおちゃんが泣いてる??ん?


優「りおちゃんどうしたの?!」

里「好きな人ができて

それで…それで優芽に言おうとしたけど

まだ入学したばっかりだし

それで…うううぅぅ」

優「それでどうしたの?よしよし」

里「昨日婚約者いるとか親に言われて

怒りながらついてったら相手が

わたしの好きな人で…

もう…嬉しくて…うぅぅぅ」

優「やったね!りおちゃん!

それでね、わたしも婚約したの!」

里「え?!ってか優芽その格好?!」

どうやらりおちゃんはわたしの格好
に今気づいたらしい

優「やっぱり変かな?はるちゃんに

朝やってもらったんだけど…」

里「いや、そうじゃなくて…。

えっとまず、はるちゃんは完璧で

優芽はとってもかわいい。

で、婚約ってなにごと?!」

優「昨日記者会見やってなかった?笑」

里「あ!ちょ、思い出した!

昨日それ見てびっくりして

優芽に聞こうとしてたところに

その婚約者に会いに行ってたから

すっかり忘れてた!!

王子とよね?!」

優「そう!颯斗と!なんか

一目惚れ?わたしにしてくれてたらしい!」

里「もう名前で呼び合う仲なのね笑

というかあの王子が一目惚れって笑」

優「ん?うん!颯斗がそう呼べって!」

里「で、なんで優芽は泣いてたの?」

優「あ!それがね車から降りた途端

みんなの視線がいつも以上に怖くて」

里「みんな優芽がかわいくて惚れてるのよ!

転校生だとか思ってるんじゃない?笑」

優「ブスなのに…みんな視力悪いのかな?」

里「みんな、むしろ正常よ」

なんて話してたのもつかの間

?『あの!転校生ですか?』
?『尼崎様のお友達ですか?!』
?『私とも友達になって!』

と昨日の報道を見てなくて私を
知らない人からは質問攻めで

なぜかちらほらと顔が青ざめてる
人もいて何人も私に謝ってきた

なんで謝ってくるんだろう???

私の心をエスパーのように読み取った

りおちゃんは

里「優芽にやってたいじめに対して

謝ってるのよ、今更遅いのにね笑」

と教えてくれた

優「そんな謝らなくていいのに〜」

と言ったら

里「神城寺財閥のご令嬢を

いじめちゃってたんだもん

そりゃ謝るでしょ笑」

って会話をしていたら歓声とともに

颯斗がやってきた

颯「優芽、おはよ」

って頭ポンポンされて

真っ赤になっていたら

?「りーおっ!おはよ♡」

と一人の男の子がりおちゃんに
話しかけてきた

里「あっ!まさくんおはよ!」

優「えっとー…。。」

わたしが戸惑っていると

里「あ、さっき話したわたしの婚約者だよ」

とりおちゃんが教えてくれて

?「はじめまして、いやはじめまして

じゃないかな!んーでも

とりあえずはじめまして、優芽ちゃん!

里緒菜の婚約者でそこにいる颯斗の

幼馴染の道成寺雅人です!

雅人って呼んでね〜!」

優「は、はじめまして!颯斗の婚約者で

りおちゃんの幼馴染の神城寺優芽です!」

なんだか自分で颯斗の婚約者だって
言うのがちょっぴり照れくさかった

颯「お前も婚約?!ってかはじめまして

じゃないとかなんだよ!

というか優芽のこと馴れ馴れしく呼ぶな!」

なんだか颯斗は怒ってるけどわたしは
昨日のママの会話を思い出していた

優「あっ!もしかして昨日ママが言ってた

もう一組の幼馴染の子って雅人くん!?」

颯「あ〜だから昨日の夜お袋

"雅人くんもそろそろじゃないかしら〜?"

とか言ってたのか!

…じゃなくて俺の質問に答えろ!」

雅「ピーンポーン!

なんかお袋たち幼馴染同士丁度よく

男の子二人女の子二人って生まれたから

俺とりお、お前と優芽がそれぞれ

結婚するって決まってたらしい!

でも俺からしたら俺はりおのこと

好きだったから好都合だしお前も

優芽ちゃんに一目惚れしてた

から好都合ってわけ!納得した?」

颯「はじめましてじゃねーってのは?

確かにクラスは一緒だけど話したこと

ねーじゃんかよ」

雅「中学んとき親父のパーティで

可愛い子いるなーって思って声かけたら

神城寺優芽って教えてくれたの!

それを聞いてお袋が颯斗と結婚させる

って話聞いてたからもしかしてこの子か!

って思って高校入学してあの地味な

格好でびっくり仰天だったってわけ」

優「ご、ごめんなさい全然覚えてない」

颯・里「だっさー!笑笑

優芽に覚えられてない笑笑」

二人してハモらなくてもいいのに〜。

この日から
颯斗とわたしとりおちゃんと雅人くん
の四人で行動するようになったのだ

そしていじめがぱたっと

魔法のようになくなったのは

この日からだったのだ