マンションというよりは、ホテルのような外観というだけでも驚くのに
















最上階は50階なのだが、普通のエレベーターでは45階までしかいけなくなっており、
















45階からは、各階の専用エレベーターがあるようで、最上階専用のエレーベーターに乗り替えた。
















蘭「不便だよね…。いくら、プライベートを明かせない職業だからって。」
















蘭の言うことは最もだった。
















さっきから、何故か目の前がグルグルと回っていて気持ちが悪い。
















ピンポーン 50階デゴザイマス。
















エレベーターから降りるとそこはもう玄関で、私の靴を蘭が脱がしてくれた…。

















お腹が大きいと靴を脱ぐのも一苦労だ…。
















蘭が靴を脱いでいると、奥から月冴が顔を出した。
















月冴「ぇえ!?悠!どしたんだ?大丈夫か?兎に角、こっち来て座れ。」
















やはり、月冴は私がいたのをインターフォンのときに認識できていなかったらしく驚いていた。
















悠「うん。」
















フラッ
















蘭「悠!」
















ふらついた私を抱き止める形で支えてくれたのは蘭だった。
















もう、目が回って気持ち悪くて吐きそうだった。
















月冴「大丈夫か!?ちょっと見せてな。」
















そう言って月冴は私の涙袋を押さえて目の下の粘膜を見た。
















月冴「真っ白だな…。ひでぇ貧血だ。寝かせるか。知り合いに点滴持ってきもらうわ。蘭。こっちだ。」
















なんだか、もう色々と限界で目をつぶり私の意識は深い底泥に落ちていくようだった…。