私は、鞄を持ってその場を去った。
















私を呼ぶ声はしたものの、追い掛けてくることはなかった。
















悲しい…。自分で遠ざけておいて、何て言うことを思うんだろう。
















蘭「悠!待って!俺もついてくから。」
















階段を下り終わったところで、蘭だけが私を追いかけてくれた。
















下っ端の子達は静かに私達を見ていた…。
















悠「グスッら、らん…。グス…」
















蘭は私をそっと抱き締めるように、歩き出した。















倉庫を出て、タクシーに乗った。
















蘭は迷わず行き先を運転手に伝えた。
















私は、その間も涙が止まらなかった…。
















タクシー運転手「2565円になります。ではカード、お預かり致します。では、お返し致します。ありがとうございました。」
















蘭は支払いをしてくれて、私を支えて大きいマンションに入っていく。
















悠「ど、こ?ここ。」

















大理石の床が光り、とても綺麗で入口両端にはマンション特有のインターフォンがあった。
















ピンポーン










月冴「はい…。ふぁぁぁ~ねみぃ。蘭か。入れよ。」















私は、見えてなかったようだ。インターフォンで盛大にあくびをかましたのは、月冴だ。
















悠「そっか。こんなにいいところにすんでるんだね。お兄ちゃん。」