春。始まりの季節。
暖かな日差しと春の陽だまり。
そして、淡い色の満開の桜が綺麗で
ついつい見入ってしまう。

(ここで日向ぼっことかできたら、最高だろうなぁ…。)

新井 優生(アライ ユイ)15歳。
この春から高校1年生。
卒業して別々の道に進んでいく友達と名残惜しい思い出別れた春も、希望の春へと変わっていく。

(高校で新しい友達出来るかなぁ…。
もしかしたら、彼氏とかもできちゃったりして…♪)

1人でうきうきとそんなことを考えていると

「優生ーっ!」

向こうから、私の名前を呼んでかけてくる女の子。
遥川 凛奈(ハルカワ リナ)。
私の幼稚園からの友達。
家が近所でお母さん同士が仲が良くて、
昔からいつも隣にいてくれる大好きな存在。

「もーっ!なんで先に行っちゃうかな!?
記念すべき高校一発目の入学式なのに、親友に先に行かれるなんて…」

「ごめんごめんw
だって凛奈、いっつも寝坊するじゃんw」

「そりゃそーだけど、ちょっとぐらい待っててくれたって…」

「15分間。待っていました。」

「すみません私が悪ぅござんした。」

「ふふっ!いいだろう!許してやろう!」

「ははーっ!優生様ー!!
ありがたき幸せーっ!!」

そうふざけあって、笑い合う。
いつも通りの他愛ない会話とやりとり。
やっぱり、凛奈といると落ち着く。

正直、まだ着慣れない制服で
1人でなれない高校への道を歩くのはやっぱり不安だった。

凛奈がいてくれてよかったなぁって、
考えれば考えるだけ、
親友が愛しくなる。

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