春。
桜は満開。
穏やかな風が吹き、鶯のさえずりが近くから聴こえる。
後ろから名前を呼ばれた。 振り返る。
彼が息を切らして、こっちに来る。
「速えーよ。 待っててくれるんじゃなかったのかよ。」
「え、先行くって言わなかったっけ?」
「言ってねーよ。」
彼はため息をつく。
「ごめんなさい。」
私は素直に謝る。
「悪りーと思ってんなら、後で俺の宿題やれ。」
「それはムリ。」
「即答かよ。」
軽い舌打ちをした彼を見て、走り出す。
「先行くね!」
「あ、おい!」
家が隣同士ということもあり、物心ついたときからずっと一緒にいる私達は、
いわゆる“幼なじみ“という関係だ。
その関係は、高校生になった今も現在進行形で続いている。
今日は、高校生活最後の年の最初の日。 つまり3年生の始業式。
そして、彼と私が一緒に過ごす、最後の一年の最初の日。
彼には、私と彼の家族しか知らない、大きな秘密がある。
桜は満開。
穏やかな風が吹き、鶯のさえずりが近くから聴こえる。
後ろから名前を呼ばれた。 振り返る。
彼が息を切らして、こっちに来る。
「速えーよ。 待っててくれるんじゃなかったのかよ。」
「え、先行くって言わなかったっけ?」
「言ってねーよ。」
彼はため息をつく。
「ごめんなさい。」
私は素直に謝る。
「悪りーと思ってんなら、後で俺の宿題やれ。」
「それはムリ。」
「即答かよ。」
軽い舌打ちをした彼を見て、走り出す。
「先行くね!」
「あ、おい!」
家が隣同士ということもあり、物心ついたときからずっと一緒にいる私達は、
いわゆる“幼なじみ“という関係だ。
その関係は、高校生になった今も現在進行形で続いている。
今日は、高校生活最後の年の最初の日。 つまり3年生の始業式。
そして、彼と私が一緒に過ごす、最後の一年の最初の日。
彼には、私と彼の家族しか知らない、大きな秘密がある。

