「…ごめんね、理由… 学校のことじゃなくて」 それよりも。 さっきまで、 邪魔そうに指先に引っ掛けていたミュール。 それをいまさら、 大事そうに抱える理由はなんだ。 「いいよ。 俺に謝る必要ない」 理解出来ない理屈で、 恋人に相談もせずに消えて無くなった人もいる。 母親言葉通りに消えようとした、 紗良は。 なぜ役立たずの教師なんかに、 話してくれるのだろう。 「毎日、電話ありがとうー! あんなに心配されたら、 好きになっちゃうじゃん。ほんとやめてよ」