要するに、 紗良のかまってちゃんが、 完全に裏目に出たということか。 それはいくら探しても、 いじめなんてないわけだ。 「言いたくなきゃ、構わねぇけど。 …お父さんは?」 こちらは、会ったことがない。 「…ずっと、帰って来ない」 水平線を移動する外国船を眺める横顔は、 今日一番大人びている。 「へぇ……」 「アオくんみたいな強い人には、 全然わかんないでしょ?」 「…どうだろうな」 正直、複雑だ。 家庭の事情では、 教師なんて肩書きはあまり役に立たない。