膝を抱え笑い出した紗良は、 そこから目だけをあげた。 「紗良、登校拒否中だよ?普通いないよ。 それに誰が、うちに連絡するの?」 「俺だ」 実際、忙しすぎる。 別のクラスの登校拒否児の面倒をみる余裕はない。 「だよね。 しかもアオくん電話してくるの、 絶対夜八時じゃん!まだじゃない?」 「…それまでに、帰らせなくちゃな」 「帰って来ない方が喜ぶよ。 登校拒否子ちゃんがうちの子なんて、 恥ずかしいから消えてって、… 毎日言われてるからさ」