九月一日〜朝から晩まで~



膝を抱え笑い出した紗良は、
そこから目だけをあげた。

「紗良、登校拒否中だよ?普通いないよ。
それに誰が、うちに連絡するの?」

「俺だ」

実際、忙しすぎる。
別のクラスの登校拒否児の面倒をみる余裕はない。

「だよね。
しかもアオくん電話してくるの、
絶対夜八時じゃん!まだじゃない?」

「…それまでに、帰らせなくちゃな」

「帰って来ない方が喜ぶよ。
登校拒否子ちゃんがうちの子なんて、
恥ずかしいから消えてって、…
毎日言われてるからさ」