「なんだろう、あの人達…。 紗良の親戚のおばちゃんに似てる。 ちょっと聞いてこようかな」 「俺が悪かった。 行かないで欲しい」 「うん。 謝るなら許してあげてもいいけど」 やはり嘘泣きだった。 近道とは違う舗装道路では、 下りが快適だった。 駐車場では空車が目立ち始め、 海客の帰り支度にすれ違う。 「水着、持って来たら良かったぁ…」 「ビーサン、やる」 さすがにミュールは危険だが、 磯遊びくらいなら出来る。 「そこの水溜り、俺の陣地」 「なに!?陣地ってなに!?」