二人は黄色のゴンドラに案内された。

少しずつ遠くなっていく地上を香奈はガラス越しに見下ろした。

そんな香奈の横顔を慎一が見つめる。

夕日に照らされたその顔はいつも以上に綺麗だった。

頂上に着いたとき、香奈は座り直して慎一と目を合わせた。

「今日はうちのためにありがとう」

慎一は驚きを隠せない。

「尚美に聞いてん。うちが彼氏と別れたん話したって。その日のうちに誘ってくれたやろ?やからきっと励ましてくれてるんやろうなって思って…」