お母様に思い切ってこの想いを述べたこともあります。
「私、○○さんに惚れているの」
その時のお母様の顔と言ったら…
呆れてものも言えないといったような表情をされていました。
馬鹿馬鹿しい。
きっとそう思われたのでしょう。
弟にも打ち明けました。
弟は、本気に思っていないようでした。
どうせ飽きて、ほかの人に移る、とでもいった具合に聞き流していました。
さすがにお父様には言えませんでした。
だって、叶うはずもない恋ですから。
言ったところで無駄無駄。
きっと、怒られてしまうでしょう。
「ちゃんと、希望のある恋をしなさい」
と。
私は片思いをするのは平気でした。
幼少時代から、片思いが多かったこともあり、もう、慣れっこだったのです。
その恋は、決まって最後は告白もすることも出来ず、好きな人にいい相手が出来て、ひっそりと終いを迎えるといったようなものばかりでした。
だから、悲恋にも失恋にも、もう慣れっこなのです。
年を重ねるにつれて、私は告白をするというこを覚えました。
振られたことだって数知らず。
でも、告白をしてくださる方も増えてまいりました。(最近は、めっきり減ってしまいましたが。)
だからこそ、好きな人にこの気持ちを伝えたいのです。
でも、無理なのです。
ある友人が、これは小説家ではないのですが、プロの野球選手にファンレターを送った、と言っていました。
なるほど、と思いました。
でも私は、その方にファンレターを送ることさえ叶わないのです。
あぁ、なんていう恋。
でも、時たまこの気持ちは本当に恋なのか、疑問に思うこともあるのです。

