いつか、言われた言葉です。

「お嬢様みたいだね」

みたいだね。
お嬢様だね。
この違い、分かりますでしょうか?

みたいだね、とおっしゃった方は、私と同じゼミの班長さんでした。
本人はきっと、なんの悪気もなく言ったのだと思いますが、これが私には結構グサリと胸の奥に刺さりました。


このご時世、「お嬢様だね。」と言う方が、貶しているような感じがして、敢えてその言葉を選ばなかったのかもしれません。
てすが、みたい だったのです。
私は本物のお嬢様にはなれていないのかもしれない、そう思えて仕方がなかったのです。


この話を、いつか私の好きな人の話を打ち明けた友人に言いました。

するとその友人は、笑いながら、「ないない!」と言ったのです。

胸が締め付けられるような思いでした。


その友人から見て私は、お嬢様ではなかったのです。


きっと、私はお嬢様の落ちこぼれです。
いいえ、落ちこぼれになる前に、お嬢様ではないのです。


これでは余計にあの方と釣り合わない。

釣り合ったところで、結ばれることができるわけではないのですが。


私は言動をかなり気にかけ、なるべくお嬢様でいられるように努力しました。