あの日から、私はまたおしゃれをすることをやめた。

「くー。」

「あ、良助。」

今では、良助くんのことを、くんなしで呼ぶようになっていた。
私が、認められない竜姫となってから、もう二ヶ月が過ぎようとしていた。

「大変だ!」

私と良助が、砂浜にいると、誰かの声が聞こえてくる。
二人で顔を見合わせて、倉庫へと戻る。


「どうした。」

「蛇(スネーク)が、竜鬼潰しを始めました!
俺ら、コンビニに行ったら、待ち伏せされえてて!!!」

倉庫の中心には、顔に傷を負った三人のひとが、海斗さんに事情説明をしている。

「・・・・一人いない。」

いつも、倉庫内で、はしゃいでた四人組み。
とても仲良しで、羨ましくてよく見ていたから、誰がいないのかはすぐに分かった。

「コンビニ・・・。」

何度か、良助と一緒に行ったコンビニに行って、そこで奇襲をかけられたのだろう。

「行かなきゃ・・・。」

そう言って走り出す。

「くー!?」

後ろで、良助が私を呼ぶ声がするも、私は無視して走り続けた。
ここから、コンビにまでは歩いて30分くらいだった。
走れば間に15分というところだろうか。

「急がないと・・・・。」

角を曲がった時だった。

「・・・・っ!」

何かの気配が、闇の中から感じる。
足を止めて耳をすませると、バキッ!やら、ドスッ!やら、何かを殴る鈍い音が聞こえる・・・。
おそるおそる、奥に進む。

「・・・ってんだろうが!」

「うっ・・・・!!」

そこにいたのは、地面に横たわっている、四人組みの一人の人と、

「吐けや!!」

その人を蹴り上げる、蛇の人四人。