「真島さん」
朋花さんが小さく声を出した。
「さあ、早く行きなさい。騒ぎが大きくなる前に」
振り返って私たちに指示をする顔に見覚えがあった。
ああ、この人事務所の専務だ。さっきLARGOをガードするためにユウキさんと一緒にレッドカーペットを歩いていた。他の時にも何度か見かけている。
「はい。ごめんなさい、すぐに行きますから」恐ろしいほどしゅんとした朋花さんが私の手を引いて出入り口に向かおうとする。
「あ、待って」
人垣から離れた位置で振り返り、私は私を助けてくれようとしたLARGOのファンの皆さんに頭を下げた。
「ありがとうございます。本当にご迷惑をおかけしました」
顔を上げると、女の子たちが手を振ってくれていた。
「姫ー」
「気にしないで~」
「姫、かわいい!笑って~」
「こっち向いてー」の声の中に「おじさん邪魔~見えないー」と専務の真島さんのことを”おじさん”扱いする女の子たちについ笑ってしまう。
朋花さんが小さく声を出した。
「さあ、早く行きなさい。騒ぎが大きくなる前に」
振り返って私たちに指示をする顔に見覚えがあった。
ああ、この人事務所の専務だ。さっきLARGOをガードするためにユウキさんと一緒にレッドカーペットを歩いていた。他の時にも何度か見かけている。
「はい。ごめんなさい、すぐに行きますから」恐ろしいほどしゅんとした朋花さんが私の手を引いて出入り口に向かおうとする。
「あ、待って」
人垣から離れた位置で振り返り、私は私を助けてくれようとしたLARGOのファンの皆さんに頭を下げた。
「ありがとうございます。本当にご迷惑をおかけしました」
顔を上げると、女の子たちが手を振ってくれていた。
「姫ー」
「気にしないで~」
「姫、かわいい!笑って~」
「こっち向いてー」の声の中に「おじさん邪魔~見えないー」と専務の真島さんのことを”おじさん”扱いする女の子たちについ笑ってしまう。



