「私は疑われることなんかしてない。怪しいのはそっちだよね。ここんとこ私がどんな気持ちになってたかわかる?」

「俺だって浮気なんかしてないから。
それより、ちゃんと夜は連絡して来いよ。あれほど言ったのに連絡してこないわホテルに一人でいるとか、よそのオトコから知らされる身にもなれよ。あんまり勝手な事するなって」

「それより?それよりって何?勝手なことって何?
じゃあ貴斗はどうなの?いつ帰ってくるのかもわからない、帰ってきたと思ったら口紅とかボディソープとか・・・そっちこそわけわかんないから」

「また口紅の話かよ。何でもないって言ってるだろ」

貴斗は軽く舌打ちをした。
また?弁解も説明もなしなんてあり得ない。

キチンと説明してっと言おうと思ったらまたしても着信音がした。
昨日の朝と同じ展開。もちろん、これは私の電話の音じゃない。