35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~


実は先ほどのお店でお酒を飲みながらこの上にあるホテルの部屋をネット予約していた。
すぐにチェックインしてホテルのカードキーを使って専用エレベーターに乗り込み、ほっと息をつく。
このエレベーターはセキュリティが厳しくて宿泊のカードキーがなければ動かない。
宿泊者であっても宿泊フロア以外にはエレベーターを止めることができないというもので、ここからプライベート空間が始まっているかのよう。

エレベーターが着いた先の23階のレディースフロアはの廊下はひと気がなくしんとしていた。

ドアを開けて中に入ると、室内は壁紙、カーテン、ベッドカバーなど全てのファブリックが統一されていていかにも女性専用という感じ。
薄い桜色をベースにしたファッションブランドとして有名なブランド製のものだ。

一人で泊まるには豪華で贅沢だと思うけど、貴くんと暮らす今のマンションもこのホテルの部屋も同じで私にとっては仮住まい。
結局はどこにいても落ち着かないのは同じことで。
ならば、浮気の気配がする恋人の残り香が漂う部屋にいるよりも全てを忘れて過ごすことができる全く知らない空間の方が精神的に落ち着くというもの。