明日は月曜日。
また一週間が始まる。けれど、ざわざわとした気持ちは収まらないし、ひとりの部屋に帰る気も起こらない。

結婚前に同棲するんじゃなかったのかもしれない。
自分の逃げ場も居場所もない、不安定な生活だったことに今頃になって気が付いた。
一緒に暮らしていなければ毎日の彼の帰り時間など、知らなくても済んでいた。

貴くんが私の事をいらなくなったら、私はどうするんだろう。
あの部屋を出て心機一転、遠くの街に行って新しい生活を始めるとか?

モヤモヤしながら駅に向かう途中、フラッと立ち寄った商業ビルの中の映画館を見つけ気分転換にと映画を観たけれど、帰る気が起こらない。次は同じビルの中に入るバーに向かった。

お酒を飲みたいけれど、今夜はBAR『Moderato』に行く気分じゃない。
貴くんを思い出す所には行きたくない。
アツシさんの顔を見ても辛くなりそうだし、愚痴として口に出せるほど軽い話じゃない。