下へ下がると、ムースはいつもの席でエミリーをみたが、黙ったままご飯を食べていた


あれで心配していたのかとエミリーがため息をついたとき。

サファイア「お父さんは顔に出せないんだよ」

サファイアの声が聞こえた。回りを見るが姿はない

サファイア「心の中では貴方をみて喜んでいるに決まってる。さぁ頑張って!まずは挨拶から」

エミリー「でも無視されたら…」
エミリーは父に聞こえないよう囁き声で話した

サファイア「大丈夫。もしそうなったらまたアドバイスするわ。」

エミリー「…」

エミリーは父を見つめる

エミリー「よし」

エミリーは決意を固め、歩み出した

父のとこにつくと、それまで気づかぬふりをしていた父もこっちをみた

目があった瞬間私は固まってなにもいえない。

そんな私を遠くから見守る母。

緊迫の中。時間だけが過ぎていく

すると、サファイアがまたしゃべってきた

サファイア「エミリー。深呼吸して。まずは挨拶からだよ。」

エミリーは言われた通り深呼吸した。力が抜け口が緩んだ。

エミリー「おはよう。お父さん」

緩むと中々出なかった言葉がさらっと出た

ムース「…おはよう。」

ぶっきらぼうながらも返事をしてくれたのでエミリーは嬉しかったが顔には出さなかった。
エミリーはもう一度深呼吸した。

エミリー「昨日はごめんなさい。でも私やっぱりまだお見合いはしたくない。するならちゃんと好きになった人としたい。男装もそんな人が出来るまでは止めたくない。唯一のストレス解消法なの。」

エミリーはそうすらすらというと、頭を深く下げて

エミリー「お願いします。どうかお見合いをするのは好きな人ができるまで待ってください。」

と言った
自分でも信じられないくらいはっきり言った
誇らしかった
でも

ムース「駄目だ」

人の苦労を水にながす。父の駄目だ攻撃は疲労してる体にこえた

エミリーは顔をあげる

エミリー「何故ですか。プライドのためですか」

ムース「…勘違いしてるようだな。私は、どうせならずっとやればいい。そういったんだ」

父の言葉は理解しにくかった

エミリー「それって…」

ムース「私も悪かった。血すじを守るためとはいえ重みを持たせすぎていた。男装なんて好きなだけすればいい。好きな人もみつけなくていい。お見合いも、結婚もむりにしなくていい。分かったら座れ。食事が覚めてしまうぞ」

さらさらといった父はまた食事を食べ始めた

最初はぽかーんとしてたエミリーだが、段々とにやけ、最終的には喜びのあまり、食事をしてる父に飛びかかった

エミリー「お父さんありがとー」
といいながら。

ムース「うわっ」

ガッシャーン


このあと、またしかられたことは言うまでもない。