次の日。
かいとの部活は、朝練をやってる日。
ヒョロっと痩せっぽちだけど…
それがいいのか、ハイジャンプの選手だ。
あんまり、じっくり見たことなかったけど、
今日は早く来たから。

校庭に面した教室でよかった…。
かいとが飛んでる姿が、よく見える。

キレイだなぁ…。
ふわっと。あっという間に飛び越える。

夢中になって見ていたせいか…
誰か入ってきたことに、気がつかなかった。


何してんの?

ビックリして振り向くと、そこにいたのは
野球部の春樹だった。

…なんだ、春樹じゃん。

春樹は、家が近く、小学校から今まで、
ずっと同じ学校へ通っている。
まあ…あたしが唯一普通にしゃべれる
男子なわけで。

こんな早くどうした?

予想外の出来事に、どう答えようか
迷ってると。

そばに寄ってきて、窓から外を見る。

ああ。陸上部ね。
さき、もしかして彼氏できたとか?

な、な、なにをおっしゃいますやら!
そんなわけないでしょうが。

慌てふためくあたしを見て、
春樹は、ふぅん?と、納得いかない顔して
また聞いた。

じゃ、何してたの?

何って…そう、目覚ましが壊れててね?
早く来すぎて…暇だっただけだよ。

ふぅん?やっぱり納得いかない様子だ。

な、なによ?

…別に。