放心するあたしを見て、

大丈夫?送ってこうか。と、言うかいと。

優しさに、つらくなる。

つらい…?
嬉しいんじゃなくて?
かいとが…あたしを好きだって
言ってくれてるのに!!

自分でも、訳がわからなくて。


大丈夫…。
ありがとう…。
ちょっと、パニックで…。

うつむくあたしに。


…わかった。気をつけて。
転ぶなよ。と、笑う。

つられて、
転ばないよ。と、笑うと。


じゃあ…俺、帰るわ。

…あ、返事は急がないよ?

でも…。


俺のことも、考えてくれると嬉しい…。

そう言うと。
ひらっと自転車にまたがって、
じゃあな!と、帰って行った…。


かいとの背中が、見えなくなって。

…はぁ…。
1人残って、ふと我にかえる。


もう…ほんとに…何が何だか…。

だめだ。
とにかく…まずは、帰ろう!!

そして…ゆっくり考えなきゃ。

あたしの。
自分の気持ちを…。

思い切り自転車をこいで、家に向かう。

風が、あたしの頭を冷やすように
びゅうびゅうと打つ。

早く…帰らなきゃ。