学校まで戻ってきたら、もうみんな
帰ったようで…人影は全く無かった。

2人とも、自転車を取りに行って。

じゃあ…な。
って、背中を向けて帰ろうとしたのに。

自転車押したまま、かいとが振り返って
何か言った。

さきー。…

え?なに?

よく聞こえなくて、そばまで行くと。
小さな声でもう一度言った。


…さき、春樹のこと、好きなの?

え??
…心臓が、またうるさく騒ぐ。

…そんなこと!

ない?

う、うん…。考えたことも…ない…。


ああ…。そういうことか。


え?なにが?


…いや。
…じゃあさ…俺のことは?


え…。
…あまりにもビックリして、何も…言えない。

そんなあたしを見て、ふっと笑い、

いや、こういう聞き方は卑怯だなー。
ごめん。忘れて。

え??

もう、あたしの頭の中は、思考停止していて。
何が何だか、わからなくなっていた。


そんなあたしに、ダメ押しのように。

んーとね。
さきが…誰を好きなのかはわからないけど。
俺は、さきが好きだよ。

と、かいとが…赤くなっている。

なんか、今言っとかないと…
ヤバい気がして。

俺…だいぶ、やな奴だな…。
と、頭をかいた。



かいと?なんて?
今…なんて??