「何かありましたか?」

私がそう言うと、ホテルマンの人は

「前のお客様が腕時計を忘れたらしく...拝見(はいけん)してよろしいですか?」

と言いました。

私は二つ返事で了承しました。

そしてそのホテルマンはその部屋を探し回りました。


そのホテルマンはしばらく探し回していたんですが、腕時計がなく諦めて部屋から出ていきました。

そして、1時間くらい経ってからまた"トン、トン"と玄関の扉を叩く音が聞こえました。

私は

「またか...」

と呆れながら玄関のドアスコープを除くと案の定(あんのじょう)さっきのホテルマンでした。