僕と君の旧校舎。






そこには、同じ制服を着た女生徒がいた。




『あれれ??先客?』




僕はここを誰も知らないと思っていたけど、間違いだったみたいだ。



一人の女の子は、ここのことを知っていた。




『おーい。聞いてる?ちょっとー?』





僕が落ち着くところが誰かにも、知られていたなんて、最悪だ。





『君!ちょっと!君は誰?』




耳元で大きな声で言われて、ハッと気づいたと同時に驚いた。




「名乗りたくない。まず自分から名乗らないとダメだろ。」




『そう?んー。でも私も名前あまり好きじゃないからなー。。』




彼女は悩み悩み悩んだ末、まるで電球が光ったように輝いた笑顔でこっちを見た。





『じゃあさ!君が考えてよ!私の名前!っていうより、あだ名!』




「え?」



僕があだ名?見ず知らずの初めてあった人に?





こんなうるさそうな人に?





彼女の顔は光り輝きながらこちらを見ていて、無視できるものでもなかった。




とりあえず何か考えなきゃ。




僕は、彼女にあった瞬間の出来事を思い出した。






「ふう、とか?」






『ふう?何で?』





「春風が吹いた瞬間に、君が現れたから、春だと無難すぎだし、ふうだったらあまりいないかなって。」





彼女はパァっとした笑顔で

『すごく気に入った!ありがとう』

と、言った。