僕と君の旧校舎。


音楽室の黒板の横にある、音楽準備室を1回開けてみようとするのが日課になっている。
だがしかし、開かない。いつも開かないのだ。
僕は音楽準備室には、きっとたくさんの楽器が置いてあるんじゃないかと思っている。
ギターや、ベースや、ドラマや、キーボードや。トランペット、クラリネットなどなど。

僕は、まあそうだよな。と思いながら、黒板の前にあるピアノに手をつけた。

「今日もよろしく。」

そう言いながら、僕はピアノを開け、
そして、弾く。

このピアノはとても綺麗な音で、まるで、ふわふわした布に優しく包まれているような気持ちになる。

優しい音色。


キーンコーンカーンコーンーー。


ピアノを弾いていたら、いつのまにか、昼休みの終わりのチャイムが鳴った。



「やば、行かなきゃ。」



僕はピアノを急いで片し、少し小走りしながら、本校舎の本教室に向かった。




あ。また放課後行こう。


そう思った。