ーーボヤっと天井が見える。

手をググッと伸ばしてみると
こんなに長かったかな?と不安になる。

手のひらをギュッと丸めると
ふわふわと輪郭が揺れる
…言い表せぬ不安定な手。

モヤモヤする頭で分かるのは
僕が今横になっていることだけだった。

とりあえず立ちあがろう、
姿勢を起こそうとした手が


スカッ


ベッドに着くはずの手が空を切る。

そこでようやく気がついた
「あれ!?今僕浮いて…ッ」

ドタッ

意識がハッキリした瞬間
大きく尻餅をついた。

「イテテ…」
ようやく地に着いた手が状態を起こすと

目の前には
地に足のつかない光景が広がっていた。

「おやおや!ようやく目が醒めたか!?
いやいや!正確には目が醒めた訳では
ないのだけれどもこれはある種の深層心理の中に我々の意識が…」

「チョット!!そんな小難しい話は
掘り下げなくてイイのヨ〜!まずはホラ!
アタシたちの自己紹介からデショ!」

ありきたりな科学者風の格好の男を
これまたベタな女装した男が遮った。

「え、いや…ちょっ…」

「コイツ、いつまで待たせやがる…
舐めてんな…完全に舐めてんな!
どれ、ワイがお前の曲がった根性をなぁ…」

「これ!やめんか!
童!安心めされい!拙者が来たからには…」

「いや、あのっ…アンタら…どうして…」

「待て待て皆の者…どうやらこの少年は
急なことで頭が追いついてないようだ。
一度この少年が落ち着くまで
少年の問いに答えてやろうではないか。」

ド派手なスーツを着た男と
時代錯誤な侍風な男を

ビシッと決まったスーツ姿の男が
なだめた所でようやく僕の混乱した頭が

1つのクエスチョンを吐き出した。

「あ、アンタら一体何者だ!?」


「『「未来のお前だ!」』」

様々な格好をした男たちが
口を揃えてそう言い放ち、
僕はポカンとして口をあけて固まっていた

白い大きな部屋に様々な格好の男たち、
口をあけた僕。

僕のフル回転しすぎて真っ白な頭には
男たちの意味不明な言葉よりも
僕の頭を支配している懸念事項があった。


「どうしてみんな僕と同じ顔なんだ!?」