「見せてって机くっつけられねぇんだから、無理だろ。」


そう淡々という黒瀬。


「黒瀬に渡したら私の見る教科書がなくなるじゃん。」


「お前バカだし見ても見なくても一緒だろ」



「あんたこそ今日だってどうせ寝るんでしょ!?」



てか教科書開いてるところなんて見たこともないし、なんなら数学の時間に起きてるところも見たことがないんですけど。



「さぁーね。」


そう言ってコテッと首を曲げて、ニヤッと笑う黒瀬。


「教科書も頭のいい人に見て貰った方が嬉しいだろ。お前みたいなバカよりは」




「別にバカじゃないもん!!」



一応成績は良くも悪くもない中間くらいだえど、まだ欠点は取ったことないもん。


ほんとにこいつは人をすぐにバカにして最低!


そして怖ーい内野先生と、クラスメイトの視線が私たちに集まっていることに気づく。


「あーらーがーきー?先生の授業より黒瀬と話してたほうが楽しいみたいだな?」


内野先生の怖い顔。
チラッと横の黒瀬を確認すると凛と澄まして知らん顔。…この薄情者!!