「…じゃあ俺いくわ。」
そう言って保健室から出ていこうとする黒瀬。
このまま黒瀬とこんな関係なんて嫌だ。
「待って」
精一杯に引き留め、黒瀬の制服と咄嗟に掴む。
「っ、」
ビクッと黒瀬が反応するのがわかった。
「謝ってよっ、」
「は?、」
予想外の言葉に振り向く黒瀬。
「毎日毎日黒瀬のこと考えてたのっ、渡くんの質問に私が答えた時もどうして怒ったのか全然分からなくて、夜も眠れなかったのっ!」
「それは、お前がっ、」
「またそうやってお前お前って、私には名前があるのっ」
一度思いが溢れ出したら止まらなくて、感情と涙が次から次へと押し寄せてくる。
黒瀬の前で涙なんて見せないと思っていたのに。
気がついた頃にはもう流れてしまっていた。



