名前で呼んでよ、黒瀬くん!【完】



「あ、あの、…話したい、ことがっ、あって…」



いつもの意地悪な笑顔はこちらに向けてくれない。



冷酷な無表情のままこちらを見る。



「俺はない」



「で、でも」



「しつこいんだけど、」




「っ、…ご、ごめん。」


結局私はそれ以上何も言えず、黙り込むしかなかった。



じんわりと滲む涙が溢れないように下唇を噛み締めた。




その後も黒瀬が話してくれることはなく、ずっと不機嫌なままだった。